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今週の政治、8月11日

やはり今週の冒頭は北京オリンピックである。なんやかんやと騒がしかったが、北京オリンピックが開幕した。毎日日本選手を応援するために寝不足が続く日本列島である。

まず開会式に驚かされた。千人二千人を一度に動員したマスゲームが延々と展開された。始めは驚きで見ていたが、最後には国力を世界に鼓舞しているように思えて少し引いた。他国のことだから言うべきではないのだろうが、人権問題が取り上げられている中、数兆円のお金を使ってのオリンピックに少々違和感を持ったのも確かである。長い長い開会式が終わった。感動と言うより大変驚いたと言うのが実感であった。

初日注目されていた谷亮子選手がまさかの敗退で銅メダルに終わった。三位決定戦に向かう際の谷選手の表情は暗かった。可哀想に思えた。長く辛い練習を繰り返してきて、絶対金メダル間違い無しと言われ、自身でもそう思っていたであろうから、銅メダルは落胆したことであろう。しかし私は思う。オリンピック五大会連続メダル獲得という素晴らしい実績を残し、日本女子柔道を世界に広めた功績は永遠に残っていく。胸を張って帰国してもらいたい。

常に思っていることだが、日本のマスコミは実力以上に持ち上げてしまう傾向が強い。例えば、女子バレーなんか私から言わせたらまずメダルは無理と思うのだが、テレビ番組などでは、メダルも可能であるとの論調が強い。女子卓球だってメダルは難しいと思うのだが・・。金メダルの有力候補と思う女子マラソンの野口選手が疲れが取れなくて一時帰国したとの報道には驚いた。そして太ももの付け根が肉離れしているという。

この暑い中、2時間半も走る過酷にレースである。たいしたことがなくスタートラインに立ち出来れば何色でも良いからメダルを持ち帰ってもらいたいとは思う。金メダル絶対と言われた野口選手。私も力感溢れる走法に、金メダルの期待をかけて楽しみにしていたのだが、レース直前でのアクシデント。好事魔多しとはこのことか。まさにマラソンも人生そのものであるなぁと思った。

野球の壮行試合がメロメロである。あの川上投手すらめった打ちされた。中継ぎで期待されているだけに星野ジャパンは頭の痛い状態での出発となる。それでも私は金メダルを持って帰ってきてくれると思っている。星野監督はジャパンを率いるに際して、今までの実績も名誉も名声も全てを賭けて臨んでいる。金メダルを取れば来年のWBCの監督も引き受けるだろうが、万一金メダルが取れず、しかも納得できる(我々ファンが)試合が出来ずに敗退したとしたら、一気に空気は変わるだろう。今回の人選も絡んで星野バッシングさえ始まりかねない。突出している人間には妬み嫉みが付きものだからである。それだけに星野監督が金メダルを取って帰ってきてくれることを切望しているのである。

うれしいニュースは柔道の内柴選手が日本で最初の金メダルを取った。会場に居る奥さんや息子の姿を捉えていたが、胸が熱くなる瞬間であった。私も歳を重ねたたのだなぁと実感した。努力したら必ず報われるというほど世の中は甘くは無いが、常に努力を重ね続けていると報われることがあるというのが本当のところである。内柴選手に拍手を贈りたい。

そんな中、福田改造内閣がスタートした。各世論調査は多少の違いはあるものの、やや支持率を持ち直している。これが本物の支持アップなのか、ご祝儀支持なのかはもう少し見てみないと分からない。巷間言われているところの、幹事長との密約説などは憶測に過ぎないと思うが、と言って本当に福田首相で解散するのか、麻生幹事長を筆頭にした別の人で解散するのかになると、福田首相で解散するとは断定できないのが福田内閣の弱いところである。

今回の内閣は財政再建優先派が占めたので、消費税アップが現実味を帯びてきたといわれているが、現実はそんな単純なものではない。国民生活を考えたら、この厳しい状況の中で消費税をアップするということは現実的には難しい。そんな折に経団連が福田首相に消費税アップを含めた抜本的な税制見直し案を提言した。現状から先を見たときに、景気の下降で税額が減ると見られるし、財政再建にはますます厳しい状況が予想される。来年度には年金の税負担率を3分の1から2分の1に引き上げなければならないし、どうしても消費税に手を入れなければなり立っていかないのも現実である。

民主党は、消費税率を上げないで無駄を徹底的に排除していけば財源は出るといっているので、次の解散総選挙の大きな争点の一つは、この消費税率アップ問題となるであろう。その外にも争点になる重要な政策は、後期高齢者医療問題。年金問題、インド洋給油問題、北朝鮮における拉致問題等々山積している。与野党のマニフェストを読んでみなければ分からないが、今度の総選挙が政権選択選挙になることだけは間違いない。

それにしても毒餃子問題のお粗末な対応には怒りを越えて馬鹿らしくなる。あれだけ強硬に日本で混入したと言い切っていた中国で、同じ会社製造の同じ種類の餃子を食べた中国の人が中毒を起こしていた。それをサミット前に通告してきて、徹底した調査をするまでは公表を控えて欲しいと要望されたとか。それは外交上あっても仕方が無いと思うが(ただし私はであるが)、公表されたあとの首相の対応が情けないではないか。

お隣の韓国では、竹島問題では一時大使を引き上げる等のパホーマンスまで遣っている。我が日本は中国に対して猛烈な抗議をするべきである。日本人が突然他国に拉致されてもそれを取り返すのに情けないほどの体たらくである。もっとしっかりしてもらわないと安心して暮らせないと政治不信に陥っているのは私だけではあるまい。

そして先週、政府は景気が「弱含んでいる」と公式に発表した。しかし景気の実態はすでに数ヶ月前から「弱含んでいる」し、「何を今頃」と思われた人達は多いと思う。今や中小企業はもちろんのこと、大企業までもが、先々に不安を感じているのである。何週間か前のこの紙面でも書いたが、政府公式発表は、季節の衣替えと一緒で、夏から秋に移る時は、相当寒くならないと厚物に替えないし、冬から春・夏に移る時は、相当暑くならないと薄着に替えないのと似ている。だから政府公式見解が出たら、今回の場合は相当景気は冷え込んでいると理解したほうが正解である。

石川啄木は「働けど働けど我が暮らし楽にならず。じっと手をみる」と詠んだ。今の日本はとんでもない格差社会になっている。中国のことを笑っていられない。片方では一夜にして巨万の富を得る人があると思えば、一生懸命働いても食っていくのがやっとの状態の人や、その仕事すらない人もいる状態である。能力はあっても、その能力を活かす仕事がない。どこでも雇ってもらえると思い早期退職に手を上げたが、辞めたらどこも雇ってくれず、自給千円の集金人をしている昔高い地位にありブイブイ言っていた人も何人もいる。努力したら報われると学校では教えたが、社会では必ずしもそうではない。

だから自分の力を過信して簡単に職を変えたらイカン。今の時代は、余程の覚悟がなければ転職は(ヘッドハンティングは別)危険である。今の職場で自分の力を発揮する工夫と努力を惜しまないことが、次の飛躍に繋がっていくと思う。サラリーマンは会社の看板を背負っているから、その上肩書きには権限が付いているから仕事が出来るように見えるだけ。一皮むけば本物と偽者が歴然としてくる。自分の腕を磨くことが一番重要である。

個人はそう思って努力していくべきだと思うが、政治となるとそうはいかない。政治とは、国民の生命と財産を守ること、国民を幸せにするために大所高所からいろいろと手を打つことである。グローバル化した現代では外交は重要である。国益を考えるのが外交である。それがなんとも心もとない。北朝鮮問題一つとってみても、横田めぐみさんのお母さんのおっしゃっていることの方が筋が通っている。

改革は何時の時代も必要である。なぜなら刻々と世界は変化しているのだから、社会も会社も個人も変化していかなければならないからである。変化とはたゆまぬ改革の心から生まれるものである。しかしその改革が、弱者を余計弱者にするものだけに繋がることは絶対に避けなければならない。改革には多かれ少なかれ後遺症が出る。それをどう最小限に食い止めフォローするかが政治の役割である。そこには愛情がなければならない。

食えるように何とかする、が政治の目標の一番目だった時代(戦後に象徴される)から、世の中が経済的に発展し豊かになった現在のような時代の目標とは自ずと違ったものになっていく。現代は「豊かさのあまり目標を失ったが故の悲劇」と言えるだろう。小林多喜二の蟹工船が突然売れ出した時代背景を感じずにはいられない。

優秀な学校を優秀な成績で卒業し、国を動かす職場を得たら、余程のことがない限り優雅な一生を送れるということが保証されているような世の中では、この激動する世界の変化に対応する官僚は生まれない。なぜなら人生は22歳までで決まってしまうということだからである。その後「身を呈して国のために」戦えないと思うからである。折角頑張ってきたのに、改革なんかで既得権を潰されてたまるものかと抵抗する気持ちは分からぬでもないが、それでは世の中が「動かぬ水は腐る」の例えどおり腐っていく。国力は低下していく。可能性が感じられる社会へと変化していかなければ、平和と繁栄を享受してきたわが国は衰退の道を辿るしかない。

個人は、国や社会に甘えずこつこつと努力する。国は、国民に愛情を持って、きめ細かい政策を立案する。息詰まるような世の中になったのは、自動車のハンドルに適度なあそびがあるのと同じように、人間社会そのものにも程度な空間がなければならないのに、それが全くなくなって、人を助けていたら自分が落ちていくというような社会構造になってしまったことが原因の一つではないだろうかと思っている。

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