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今週の政治、8月4日

この書き始めは、7月30日の時点でのものである。福田首相は内閣改造に踏み切るのか、それともそのままで行くのか。政界はその一点で注目されている。福田さんの性格(これまでの報道でしか伺いしれないが)から苦悩しているのではないかといわれているし、たぶん我々素人受けするようなサプライズ人事は難しいのではないかと思われている。

その昔、田中角栄首相が経済政策に行き詰まり、(日本列島改造論による土地の値上がりによって猛烈なインフレを誘発した)政敵の福田赳夫氏(福田首相の父)を大蔵大臣に指名したことがあった。共に血で血を洗うようなと表現された角福戦争で戦った二人だけに、これ以上のサプライズはない。要請を受け入れ就任した福田大蔵大臣は、猛烈なインフレを抑えるために総需要抑制策を採った。今そんなことが思い出される。

今時点で言えば、麻生さんを幹事長に持ってくるほどの人事である。父親にそんな歴史があるのだから、息子としても今回の改造人事では、まず麻生さんを幹事長に持ってこれるかどうかが大きなポイントとなろう。その上で内閣にどんな人をどんなポストに配するかに注目が集まるのである。中川秀直さんを中心とした上げ潮派を中心とした人選になるのか、与謝野さんに象徴される財政再建優先派を中心にした人選になるのか、これが今後の福田政治の行く先を占う大きなポイントとなろう。そして内閣改造を行えば、解散は福田首相の手で行われるだろうと思う。

公明党との関係も微妙な隙間風が吹いているような雰囲気である。今後、それも近い時期に(解散総選挙が終わってからだろうが)万が一公明党が連立解消とか、閣外協力等の路線に後退するようなことにでもなれば、一気に政界に嵐が吹くことになる。現在の微妙な動きが、与党を形成している二党のたんなる駆け引きで終わるのか、上記したような嵐になるのか、政界は一寸先は闇である。

このような公明党と自民党の思惑の違いについては各報道機関が詳細に報道している。テロ特措法の延長に対して公明党は慎重な姿勢を示しているようだ。また年金問題でも自民党と一定の距離のある政策を考えているようである。これらに対する考えの違いが、国会招集日の綱引きになっているようである。

一方民主党も9月の党首選挙に向けて水面下で駆け引きがあるように見受けられる。大方は小沢氏無投票で再選というシナリオに落ち着くのであろうと考えられているが、党内活性化という意味からも、対立候補の擁立が必要不可欠であると主張している有力議員もあるようだ。今回の党首選挙は、今までのような野党党首を選ぶものではなく、日本の時期総理大臣候補を選ぶものであり、一層注目を集めることになる。

そして自民党が本当に福田さんで総選挙を戦うのか、民主党は小沢さんで戦うのか、または両党とも別の人材が浮上してくるのか、関心が深まるところである。日本を取り巻く諸環境は厳しさを増している。まず原油高騰に伴う物価高にどう対処するのか。これは日常生活に直結するだけに深刻な政治問題となっている。年金問題と後期高齢者医療問題という厚生労働省所管の大問題をどう解決するのか。地球温暖化問題。地方をどう活性化させるのか。安倍内閣で成立をみた教育基本法の改正を受けて、実際にどうすすめていくのか。教育問題は、最近の若者が引き起こす凶悪事件を考えると急務の問題である。

先日もある人と話をしていたのだが、現代社会は豊かに為ってしまって、特に欲しいものが無く、強いて行きたいところも無く、だからそれを達成するために必死になって働く必要も無く、ぼさっとしていても三度の飯とお天道様はついて回るとなれば、活性するはずも無い。豊かさ過ぎが故の悲劇となっている。

私の子供のころは、欲しいものが一杯あった。中学生になって初めて腕時計を買ってもらったときは、抱いて寝たものであった。同じく、万年筆で初めて字を書いたときの感動は今も胸の奥深くにしまってある。今や物は周囲に氾濫するくらいにある。欲しいものはお金を出しさえすれば手に入るし、今お金がなくてもカードローンで簡単に買えてしまう。一方では企業も個人の生活も格差が広がってしまった。遅れを取ったとおもった者が、奮起一番巻き返すという意欲を失い、その理由を他人に転嫁して凶悪な犯罪に走ってしまう。このままでいくなら、近い将来日本は破滅の道に入るのではないかと多くの人たちはそう思い始めているが、それを食い止める手立てが見つからない。

これからの記述は内閣改造後2日のものである。1日夜福田首相は内閣改造と党役員の人事を発表した。まず麻生さんを幹事長に据えた。これは上記したようになかなかの決断である。まず大きな扉を押し開いた。今後の政局は麻生さんを中心として動いていくと思う。昨年の総裁選挙のとき、私は難波高島屋前で行われた福田・麻生両氏の立会演説会を聞きに行った。高島屋前を埋め尽くした大聴衆の中では圧倒的に麻生さんの人気は高かった。

そして言っていることも福田さんに比べて歯切れが良く、前向きで明るく期待出来そうだと思った。しかし小泉・安倍時代の改革改革の大合唱に国民は少々疲れていたのだろうし自民党の代議士さん達も少し息をつかせてほしいと思っていたのであろう。この辺で少し安心感のある癒し系の人が出てきて欲しいという思いがあったのだろう。麻生嫌いの多い自民党各派閥から一夜にして四面楚歌の状態にされ麻生さんは善戦虚しく敗れた。そして約一年が過ぎ、今回党幹事長として登板することになった。どんな動きをするのかに注目して行きたい。ただしこの人、小泉さんや竹中さんほど改革に傾倒しているわけではない。安倍さんとのほうが麻生さんは近いと思う。

次に凄かったのは、この内閣から上げ潮派を一掃して、慎重派と言うか財政再建優先派を中心にした布陣を組んだ。財政担当相の太田さんのあとに与謝野さんを据えた。これは大きなメッセージである。ただ与謝野さんにしても今すぐに消費税を上げようといっているわけではない。景気浮揚策を優先して税収増を図り、徹底的に節約をしてプライマリーバランスをとろうとする上げ潮派の政策では、長い時間がかかり不安定だから、徹底した節約は図るのだが(この辺の徹底した節約がどの程度のものを言うのかについては、言及していない)将来安定した政策を実行するためには、消費税引き上げもやむを得ないと言っているのである。

上げ潮派は経済成長率を名目で3%を目指しているのに対し、慎重派は1、5%でもいい、無理するとまた国に借金が増えることになるとしている。そして閣内に、この前の総裁選のときに消費税の引き上げを堂々と政策に盛り込んだ谷垣さんが国交大臣という重要閣僚として入閣したことも、福田首相が消費税引き上げに軸足を移したと思われるメッセージとして受け取られている。幹事長から財務大臣になった伊吹さんもどちらかと言うと、与謝野さんたちの考えに近い人である。

もう一つ、郵政民営化に反対して党を除名されその後復党した野田聖子さんが、消費者担当相として入閣し、同じく造反組の保利さんが党の政調会長になった。これは明らかに小泉時代からの決別を表している。唯一つ良かったなと思ったのは、中山恭子さんが拉致担当相になったと言うことである。今までは町村さんが官房長官と拉致担当を兼任していたが、専門家で拉致家族の方々の信頼も厚い中山さんが少子化担当相との兼任とはいえ、拉致問題の担当相になったのは今後の北朝鮮との交渉に大きなインパクトになれば良いと期待している。

厚労相の舛添さんの留任は当然のことであろう。防衛相は石破さんが適任ではないかなぁと思うのは私だけだろうか。今回の改造で安倍前首相に近い人たちは全て遠ざけられた。これは当然のことである。トップが交代したのだから、もっと早く自前の内閣を造って考えている政策を実行するのが首相の最大の役割だからである。

現在わが国を取り巻く環境は、国民生活だけとっても多くの問題を抱えている。原油高による物価高。しかし給与は上がらない。国民生活は厳しくなるばかり。大型倒産も囁かれている。先行き不安だらけである。今年の景気は下がっていくだろう。と多くの人たちは漠然とした不安の中にある。

さてこの内閣で我々国民が苦しんでいる緊急の課題を解決してくれるだろうかという点については、世論調査でも大きく二つに分かれている。そして解散して国民に信を問えという声は一番多数派である。そしてその受け皿となるであろう民主党に投票しようと思える候補者がいるのかというと、はなはだ難しいところである。玉(候補者)が不足している。そしてもしも民主党が政権を取ったら、今議論していることを実行できるのかについてもはなはだ疑問符が付く。

しかし一度やらせてみようではないかという声も今年の春よりは大きくなっていることも事実である。改造福田丸がどんな舵取りでこの難局を乗り越えてくれるのか、政治は経済よりも一歩先んじるの原則からして、福田首相に残された時間はそう多くはないのである。

私の感想は、職場は一将の影なのだから、首相が交代しなければ劇的な変化は現れない、福田首相は平時の首相としては調整能力もあるし安心感もあるが、激動の時代の首相としてはフットワークに欠け、時期を失する恐れありと不安である。これから秋にかけての政局は、日本の将来を決める大きな決断の時期になっていく。
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