スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今週の政治、5月26日

16日に発表された08年の1~3月のGDP(国内総生産)は、前期比0.8%増で、年率換算で3.3%の増と第③四半期連続でプラス成長となった。アジアや欧州への輸出が好調だったほか、個人消費も底堅く推移したためである。ただし、同時に発表された07年の成長率は実質1.5%増、名目では0.6%増に留まった。改正建築基準法施行の影響で住宅投資が13%余りも減り、実質成長率を0.5%も押し下げたのが大きかった。実質成長率は前年の06年と比べて、(前年は2.5%増)大きく鈍化した。日本の潜在成長率は2%~2、5%とされているので、これをも大きく下回ったのである。

このように1~3月の実質成長率が年率換算で3.3%増となっているが、08年の景気見通しとしては決して楽観は出来ない状態である。まず1~3月の成長率の貢献度合いを部門別に考えてみると、内需が0.3%増、外需が0.8%増となっている。内需の伸び悩みを輸出の外需で補っている形となっている。一方個人消費は季節的な特殊例も加わってこの時期増加しているが、(今年の)同時期は寒かったから暖房器具の購入が増えたほか、電気料金も増加したし、国内旅行も伸びた。

一方設備投資計画は前期比1.6%減少になっているのが先行き気にかかる。また際限なく高騰する原油価格が、材料費の値上げにつながり、企業収益の圧迫となり、個人所得の伸びを抑え、個人消費にも減少の懸念が予想される。このように考えると、1~3月は季節的な関係もあって、ささやかな緩和期なのかもしれないと思う。大田大臣は、景気判断を横ばいとしたが、先行きには予断は許せないとも言っている。

実は昨年の夏過ぎから、それらの諸問題がじわじわと景気に影響を与えていた。それにより企業業績にかげりを見せ始めている。加えて昨年秋から表面化したサブプライムローン関係が金融の世界にかなりの大きな影響があった。6大銀行がこのローンの損失を被り、34%も減益となった。実にサブプライムローンで9800億円も損を出したのである。日本に冠たる大銀行がこの始末である。これは今期もまだまだ引き続いて影響があると見るべきである。今当初は、前半は景気は厳しいかもしれないが、後半からは明るくなるとされていたが、現状から考えて、今後はゼロ成長も考えの中に入れておかなければならないと思う。

そんな中で日銀は「景気減速が明確になってきた」と表明した。この時期のこの発表はかなり思い切ったものである。総裁が変わったからかもしれないが、実態経済の動向と日銀の公式発表がかなり一致してきたように思う。そして20日の政策決定会議で政策金利を0.5%で据え置きすることを決定した。いつも書いているように、日銀としての本音は、糊代のない金利状態を是正するために、チャンスをみて金利を上げたいのである。実は昨年の夏ごろに一・二回金利を上げるタイミングはあった。しかし折角ここまで上昇してきた景気に水を差すのかとの反対の意見が大きく、そのタイミングを失したのであった。

今日の情勢では金利を上げるなどということは、尚更出来難い。少し前のことを思い出してもらいたい。前総裁の福井さんは、「物価の上昇が認められたら、金利引き上げも視野に入れるときである」と発言し続けていた。原油の高騰が一番大きな要因であるが、ここにきて消費者物価が上昇に転じている。日銀はインフレの懸念も視野に入れ始めているのであるが、なにせ肝心の経済の状態が不透明だから、金利を上げるにも上げられないというところである。

サブプライムローンが大騒ぎになった数ヶ月前に、(アメリカが大幅な金利引き下げを複数回行ったときのこと)日本も景気のことを考えて金利を下げるべきだとの声が上がった時があった。同時に、公定歩合が0.75で政策金利が0.5の超低金利の中で、丸々下げても0.5%ではないか。何の効果もない。中央銀行はもっと早く金利を上げておくべきだったのだという批判にも繋がったことがあった。

私がまだ若い頃公定歩合の影響は甚大であった。公定歩合が0.5%上下しただけで、日本の経済・金融は大きく影響を受けたものである。だから経済・金融の舵取りが今に比べて易しかったのである。ところが金融自由化の波と、経済の国際化が進んで、公定歩合の影響が極端に小さくなった。今や公定歩合は、政策金利の一つと言う位置づけになってしまった。政策金利とは、中央銀行が市中銀行に貸し出しを行う時の金利ということである。公定歩合も、中央銀行が市中銀行に融資する超優遇金利と位置づけられていた。

もう少しこの件について勉強してみると、1994年9月までは民間銀行の金利は公定歩合と連動していて、日銀は公定歩合を操作することで金融政策を行うことができた。しかし、1994年10月に、民間銀行の金利は完全に自由化されたので、公定歩合を利用して民間銀行の金利を操作することは難しくなった。そのころ、日本の景気は悪化し続けていたから、従来であれば公定歩合を下げて金利を下げるべきであったが、日銀は1995年9月から2001年2月まで公定歩合を下げず、0.5%のままであった。なぜなら公定歩合の影響が小さくなったからであった。

そのかわり日銀は、(民間銀行の金利が完全に自由化された後は)、公定歩合を操作する代わりに、短期金融市場の金利(無担保コール翌日物の金利)を操作することで金融政策を続けた。短期金融市場は、民間銀行が借り入れをするのに通常用いる市場である。日銀が民間銀行から国債や手形を買い取る買いオペレーション(買いオペ)をして、金利を下げる操作を続けたのである。これにより、従来最も低い金利は公定歩合であったが、現在は短期金融市場の金利が最も低い金利となった。現在の日本の政策金利は、無担保コール翌日物となっており、公定歩合は政策金利ではなくなった。役割が逆転したのである。

だから今は、余り公定歩合とは言わなくなった。そればかりか、後段に書くが公定歩合という言葉さえ公式にはなくなってしまっているのである。従って、現在の公定歩合は、短期金融市場の金利の上限の役割を果たしている。日銀は2000年8月にゼロ金利政策を解除したが、金融不安が高まるのを防ぐため担保さえあれば、日銀は制限なく民間銀行に公定歩合で融資をすることにした。思い切った政策である。担保があれば、民間銀行はどんなに高くても公定歩合の金利で借り入れが保証されるので、金融不安を押さえることに繋がり成功した。日銀は、この後、少しずつ公定歩合を下げていった。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で金融不安が高まったために、日銀は公定歩合を、史上最も低い0.1%まで下げた。そして2006年7月14日に、2001年3月より再実施されていたゼロ金利政策が解除され、公定歩合は0.4%となり、その後2007年2月21日には、公定歩合は0.75%まで引き上げられた。政策金利は0,5%のままである。日本銀行は2006年8月11日に「公定歩合」に関する統計の名称変更を行い、今後は公定歩合という名称は使わず、「基準割引率および基準貸付利率」と呼ぶことを発表した。これが公定歩合と政策金利の推移である。

政策金利が、上記したように無担保コール翌日物と短期金利であるが、一方で長期金利が上昇の勢いを増している。それも日米欧で上昇している。原油の高騰のほかに、ここにきて思いもよらない穀物市場でも価格高騰が始まっている。これは食糧問題にも直結するので大きな問題である。食料自給率が低いわが国では、急きょ米の増産も議論に上っているようである。穀物市場でも巨額の投機マネーが大きな影響を与えている。世界の富が産油国に集中している情勢である。

それは少し横に置くとして、長期金利はここ数年天井を叩いていたのである。上がりたくて上がりたくて仕方がなかったといっても過言ではない。それを政策的に押さえてきた経緯がある。これをみただけでも金融政策は難しい局面に差し掛かっていることが分かる。一つ間違えばやってくるかもしれない世界的なインフレを事前に抑えなければならない。これらの動きはわが国の経済の先行きにも影響を与える大きな関心事である。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | BLOG TOP | 

プロフィール

こんこん

Author:こんこん
ひまわり大好きmini向日葵Clubのブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログランキング

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。